【ロクでもない1日の終わりにゼンマイを巻いていた。】
多くのサラリーマンがストレスを感じながら歯を食いしばっている。頭を下げながら、罵声を浴びながら、心の中では不条理に対してファイティングポーズ。社会を睨み返している。
本当に…。苦手なお客さんだった。心に暫く尾を引くダメージを負わされた。
私は現場の職方なのですが、稀ではあるけれど、お客様と打ち合わせをする日がある。
通常15分程要すれば終わる話を、3時間かけての打ち合わせとなった。仕事を甘く見過ぎだと言われればそれまでなのだけれど、それにしても3時間は長すぎる。
だけどそのお客様は、私に次の予定が有る事を知ると「私との打ち合わせが有る日に他の仕事を入れるな」と憤慨していた。
ん〜時間の価値観が違いすぎますお客様。
とは言えないので3時間拘束されてしまったのだけど。
日頃人を相手にする営業職を改めて尊敬する日でもあった。
私はそれよりも、品質や技術の精度を突き詰める方が性に合っているという事なのだろうな。
だけど社会人としてのステップアップの為に営業から逃げてはいけないのだろうな。仕事とは人と人との繋がりだと思うから。
そんなこんなで帰宅したのは23時だったか。次の日も仕事だったので、夕食を食べてお風呂に入ればすぐ就寝の時間。
ストレスで頭痛が酷かったのでなかなか寝つけず。
そんな日でも、時計を愛でてから寝たい。
だってこの子たち、巻いてあげないと止まっちゃうから。
カーキフィールドメカニカル。この時計を購入して3カ月くらいかな。1度も止めたことないよ。80時間のパワーリザーブ。それも凄いけど、そもそも毎日巻いてるからね。止まる暇が無いのよね。
嫌な3時間を経験した日の終わりに、30秒かけてゼンマイを巻いていた。
日頃忙しくさせていただきながらも、時計を愛でる時間が有るということに感謝する日となった。
時計のゼンマイを巻きながら、趣味を当たり前に楽しめる日常に想いを寄せ、頭痛が和らぐのを待ち眠りにつくのであった。
