【花火が打ち上がる日に、腕時計は落下した】
夏休みになると近所の河川敷で行われる、年に一度の花火大会!
我が家から直線距離300〜400メートルの場所から打ち上がるので家からバッチリ見えるのです♪これが毎年楽しみでさー。この土地に家を建てて良かったと思える日でもある。
今年も昼間からバーベキューの準備に気合が入っていた!買い出し買い出し!
肉を焼きながら花火を見たいのだ。
買い物を済ませて帰宅。バーベキューコンロの炭に火を着けたいところだが、どうも雲行きが怪しい。まだ16時なのに外が暗い…。
え〜雨降るの?
ピカッ!
…
ゴロゴロゴロ
嘘でしょ。夕立する気満々じゃんか。
晴れることを祈りつつ外を眺めていると、
「あっ。焼肉のタレが無い!」と妻。
それではと私が買いに行くことに。花火大会の会場ではお祭りが行われるので、近くの道路は既に車で混み合っていた。
「歩いて行ってくるね。」と近くのドラッグストアへとおつかいへ。
家を出て3分くらいかな?
ポツ。ポツ。降ってきたー。
ヤバいヤバいと小走りでお店へ。買い物を終えた頃には雨脚が強くなっていた。帰路を急ぐ中で腕元のカーキフィールドが心配になった。
「この子5気圧防水だー!」
ザーー!と雨が降り注ぐ。
ヤバい。よし、ポケットに入れよう!
時計を外しポケットに入れた。筈だった。
私の時計はジャキッと嫌な音をたて、雨に濡れたアスファルトへと落下した。ポケットを空振りするという鈍臭さ全開を披露。
やっちまった〜…!
ショックを受けたが泥だらけの時計を無言で拾い今度は確実にポケットにしまい家までダッシュ。
家に着きポケットから恐る恐る時計を取り出し、まずは泥を払う。雨に濡れた土をふんだんにコーティングしていやがる。大体の泥を払い終え、いざ傷のチェック。
…
あれ?意外と傷は無い?小さな傷はあるけれど、これは元々付いていた気がする。
はっ!雨で濡れて壊れてない?
…大丈夫そうだ。
むむむ、これは、嬉しい♡
なんだろう。落とした時計を拾ってダッシュで帰ってくる間、傷だらけになってしまった時計を想像していたので、ずっと泣きそうな顔してたと思うんだよね。
だからさ、無傷の相棒を見て嬉しくなったのよね。
「日頃の行いが良いんだな。」なんて思い、窓から外を見ると晴れ間が広がり雨は止んでいた。
「日頃の行いを見直そう。」そう誓う36歳の夜であった。
花火は今年も綺麗だった。1年の疲れを癒すかのように、この町に轟音を残し消えていった。
また来年の花火大会まで生き抜けと、もう時計落とすなよと、エールのように思えた。
