家族の時間

【長女が産まれた日】

トキノート

愛娘が2人いる。

長女は8才。次女が4才。

今日はお姉ちゃんのお話。

長女が産まれてきてくれたのは2月。東北の冬にしては良く晴れた暖かい日だった事を覚えている。

予定日を2日程経過していたので、いつ陣痛が始まってもおかしくないタイミングではあったのだけれど、妻から連絡を貰った時は、そりゃあもうMr.ソワソワだった。

連絡を貰った時、勤務中ではあったがちょうど現場から会社へ戻るタイミングだった。

「妻の様子はどうかな。家族が増えるのか。いよいよだな。私が病院に到着する前に産まれたりして…。」

絶え間なく思考が流れながらも事故だけは起こすまいと、より安全運転で帰社。

「お先です!」

定時前だったが会社に訳を話し早退させていただいた。

家に戻り着替えを済ませていざ立ち合いへ!!

2018年。まだ立ち合いが出来た時代。

コロナは本当に色々な経験を人間に制限させたよね。

病院に到着した時、妻は陣痛室に居た。義母が傍で支えてくれていた。

なんとか出産に間に合ったようだ…!

「ほら、コレ、腰に当ててあげて。」

義母の声。

私はテニスボールを受け取った。

「はっはい!」

そうだ、事前にそんな話を聞いていた。どうやら陣痛を和らげる効果があるらしい。

痛みに苦しむ妻の腰にテニスボールを押し当てる。

陣痛は、痛みと和らぎが繰り返されるようだ。

痛み、和らぎ、痛み、和らぎ…

妻は痛みが和らいだタイミングで寝ていた。

単に眠たかったのと、本能的に疲労回復しようとしてるのかな…。

程なくすると痛みのスパンが短くなり、妻は分娩室へ移動した。

そこからは早かったように記憶している。

助産師さんに助けられながら、励まされながら、妻は命と向き合っていた。

出産とはこんなにも壮絶なものなのか…。

こんなにも命がけなのか。

ただ妻の手を握るだけの私は無力さを痛感した。

「はい、産まれたよー!」

助産師さんの声で我に返った。

…産まれた?

先生まだ来てないけど、産まれたの?助産師さん達だけだけど産まれたんだ…!

だけど、産声をあげない我が子に私の心臓は痛みを伴ないつつ速度を上げた。

「先生早く!」

やっと来てくれたお医者様は、産声をあげない我が子の鼻の穴にスポイトで水を流し入れた。

「うぎゃー!ぶぎゃー!」

恐ろしく長い時間不安だった心が、ひとつ落ち着きを取り戻した。

私は涙ぐんでいた。

娘の産声は可愛かった。

くしゃくしゃの顔が愛おしくて、早く抱きしめたかった。

娘から妻へと目線を移し

「頑張ったね。無事でよかった。お疲れ様。ありがとう。」

と、私は言ったのだろうか?

もし、言ってなかったら我ながら最低です。

でもね、本当に心からありがとう。幸せです。

娘よ。元気に産まれてきてくれてありがとう。

父ちゃん頑張るからな!

出産に立ち合い、率直に思った事は。

「命がけで我が子を産んでくれたこの人を、悲しませてはいけない。」

という事だった。

私の人生で1番命を感じた日に、家族の幸せを誓ったのだった。

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日々を綴りたい時計好き
地方で働く時計好きです! 私は時計の専門家ではありません。でも時計を見て思い出す人や景色があります。 このブログでは、そんな時計と人との繋がりを綴っていきます。 よろしくお願いいたします!
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